コイビト未満



そう話す横顔は優しかった



葵の結婚願望…か


あまり将来のことは興味がないというか
成り行きで生きているようなところもあるから気にしたこともなかった



でも、私もこんな綺麗な景色を見ると




僅かながらに結婚への憧れを持ってしまう





「誰と…?」

「え?」

「その時…………葵が結婚する時…、

葵の隣に居る人は誰なんだろうね」






葵は笑った


”行こっか”




それだけ言ってまた私の手を引いて歩き始めた






それ以外何も言わなかった





葵のその笑みが何を表しているか



そんなこと、考えたらまた自分がおかしくなりそうで






だけどきっと




言葉なく此処で小さな小さな誓いをした






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