コイビト未満


悠也さんは笑って私の目を見た



「ふふ。ありがとうございます。
菜成ちゃんのその真っ直ぐな瞳にシンパシーを感じました

いつか菜成ちゃんも撮らせてくださいね、もちろんこの場所で」

「え、私ですか。私なんかが…」


「お互い約束ですよ」





ニコッと微笑むその表情がまた、葵と重なった



やっぱり、誰と居ても私の頭の中は葵でいっばいで





葵しかいないと再確認させられる




なのにどうして……








小一時間で居酒屋を出て
悠也さんにホテルまで送ってもらった





「すみません、奢ってもらっちゃって」

「いいのいいの俺から誘ったんだし

次来る時は是非連絡くださいね
勿論、彼氏くんと」

「あ……………はい」




じわっとこみ上げる感情


悠也さんの優しさ



貰った写真を眺めて、エネルギーを充電する





「ありがとうございます悠也さん

お互い頑張りましょうね」


「そうですね

こちらこそ突然すみませんでした
おやすみなさい」






次この場所へ来る時



私は胸を張って、悠也さんに葵を紹介出来ているのだろうか



そうでありたい




何度も写真を眺めては




ため息をついた
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