コイビト未満
「菜成も飲める歳なんだな」
「私だって今年で21だよ
こういうのは男の子の方がお父さんには嬉しかったかな?」
「そんなことないさ
こうして菜成と飲めるんだから嬉しいよ」
いつかお父さんが言ってたな
男の子も欲しかったって
女の子が嫌だという訳ではないけれど
いつか親元を離れて家を出て
お嫁に行っちゃうのが寂しいって
だから私と莢菜が大人になっていく度に
お父さんは焦って行くんだって
「最近………どうだ?」
「ん?何が?」
「色々と……」
「色々とって…さっき腐る程聞いて来たじゃん」
「そうだけど……」