コイビト未満
二度目の初めて
葵に連れられソワソワしながら校内を歩く
そんな私に葵はすぐ気付く
「菜成これ着けとく?あとこれも」
「え?わわ…」
葵がたまにかけている黒縁の眼鏡
本を読む時くらいしかかけないというからそこまで度は強くない
それから、葵の制服のブレザー
私の好きな葵の香りに包まれる
「今日の菜成のスカートの色制服と似てるしさ、ぱっと見生徒に見えんじゃね?」
「大きいよ、ブレザー」
「だって男の子だもん」
私もこの学校の生徒だった時は毎日着ていた馴染みのある制服
羽織っただけだけど、20歳超えていざそういう格好してみると、恥ずかしい
私より全然大きい葵のブレザーに包まれて
ずっと葵に抱きしめられているような、凄く凄く不思議な気分