コイビト未満



「葵……ありがと」

「なにが?」

「んー…なんだろ」




葵は笑った




「なにそれ」






同級生の三崎くんに片思いをして


勇気を出して告白をして



奇跡的にOKをもらえて




毎日一緒に帰って



放課後デートもして



テスト前は一緒に勉強もして






沢山の想像が私の脳内で膨れ上がる




こうだったら、楽しかったんだろうなという想像が





「葵…あの…」

「ん?」






たまに自分の行動を俯瞰的に見て恥ずかしくなる




でも気付いたらもう私は動いていて




脳より先に身体が葵を引き寄せて






私からキスをした


< 307 / 433 >

この作品をシェア

pagetop