コイビト未満



一瞬ぼーっとしていた三崎さん

私の呼び声にはっと我に帰る




じっと、パソコン画面の悠也さんの写真を眺める





近い、距離が





三崎さんが近い







誰もいないパソコン室



私と三崎さん、二人きり





その空間に






私の携帯が鳴る






「菜成ちゃん?電話出ないの?」

「あ…大丈夫です」






液晶の画面が三崎さんに見られる前にそっとバッグに入れた






葵の名前が見られる前に




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