コイビト未満
「菜成ちゃんも、葵がフラフラしてるの見たら帰るように言ってやって」
「は、はぁ・・・
あ、私も帰るので外まで一緒にいいですか?」
誰もいないパソコン室を出た
外に出ると激しく地面を打ち付ける雨の音
さっきまでの淀んだ空は案の定
一瞬で雨空に変わっていた
秋の終わりと言うのか
冬の始まりと言うのか
雨で一気に気温は下がっている
今日の格好では薄着過ぎたかも
「すごい雨だな・・・
菜成ちゃん、傘はあるの?」
「いや・・・今日雨予報出てなかったから・・・
でもすぐだから大丈夫です、きっと通り雨だろうし」
傘を持ってきていない私
目の前の購買で買うにしてもこういう突然の雨の時に何度もコンビニとかで買った傘が部屋に何本もある
これ以上増えても困るし、部屋まで然程遠くない
少しくらい濡れたって平気
そのまま学校を出よう
「じゃあ、これ
少しでも雨避けになれば」