コイビト未満
「ねえ桐矢くん?随分騒がしいけどそんな大宴会してんの?」
『え?あぁ、んーまあ中いい奴ら10人くらいで』
「ほどほどにお開きにしなさいよー
酒なんて飲んでたら全員学校に言うからね」
『容赦ねえなー
大丈夫今日は飲んでねえから』
「今日は?」
『あ・・・じゃ、そういうことでよろしく』
墓穴を掘って焦って電話を切った桐矢君
電話の向こうから
騒がしい声に
女の子の声が聞こえた
随分楽しそうだったね桐矢くん
こういう同級生といる空間の葵って、あまり知らない
葵はどんな顔してるんだろう
きっとまた私に見せる顔とは違うんだろうな
葵のこと知ってるつもりで
そういうところでは知らない部分が多すぎる
あんな綺麗な顔してたら
そりゃ沖田さんだけじゃなくて
他の女の子も放っておかないだろうな
なんで普通の大学生の私なんかに懐いちゃったんだろう・・・