コイビト未満






葵はズルイ



いつもずるい





私が会いたいって思っているの、分かってるの?




「葵・・・・」


「もしかして迎えに来てくれた感じ?」


「う・・・うん・・・・雨酷かったからさ」


「うわやべ、嬉し過ぎる

今日文化祭の打ち上げだったんだけどさ、
今から帰るって言おうと思って菜成に一回電話した後携帯忘れて出たみたいで」






終電間際の駅に人気はない




すぐに葵に抱きしめられる




これは、錯覚でもなんでもない





葵そのもの

感じる香りは、葵そのもの





駅員さん、見てませんように






「めずらしー菜成が甘えたちゃん」

「うるさーい・・・・」




やっぱ葵の代わりはいないんだろうな





葵の魔法?呪い?






ずっとずっと抜けられない




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