コイビト未満



気付けば葵ばかり

脳裏を巡るのは葵のことばかり



今なにしているんだろう


どこにいるんだろう



したくない想像ばかりして



勝手に不安になって




三崎さんと会うことなんてどうでもいいくらい葵のことで頭がいっぱいで




「あら…蓮見さん、でしたよね?
どうしました?また具合でも…」

「あ、いや…もう頗る元気です
少し時間が出来てしまって…連絡もせず勝手にすみません…」




この一時間半、私は
「三崎さんを待つ」という行為がどうしてもできなかった

気付けば3駅電車を乗り継いで




莉香さんの勤めている病院に押しかけていた





最初少し驚いた表情だった莉香さん



丁寧に連絡先をもらったのに、連絡もせず急に会いに行くとか

非常識すぎる




「良かったー…
私ちょうどもう直ぐあがりなの
ロビーで待ってて頂けますか?」

「あ…はい、すみません本当…」

「気にしないで
私も今日はちょうど予定もなかったし」



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