コイビト未満



兄ちゃんか




電話越しに溜息をついた




しっかり美来にも聞かれている






「別に、渋ってるっていうか

元から行くつもりなんてねえし、てか何お前今日本にいんの?」

『休暇で帰ってきてる。知ってたら叔父さん達のところ寄ったのに。』






美来が海外へ留学して、そのまま海外で
働くようになってから


二度と会うとは思ってなかった





そんな女からの5年ぶりの連絡






何処と無くぎこちない会話






人見知りなんてしない俺が
珍しくテンパってる





5年ぶりの会話

未だに言葉が詰まる






それは5年前



「元気でね」







そう言って儚く散った




切ない切ない






俺の初恋
< 387 / 433 >

この作品をシェア

pagetop