コイビト未満





「久々過ぎて引くわ」

『あんたのために電話してあげたのに、素直じゃないなー
昔は引っ付いて離れなかったのに』




思い出す、5年前までの記憶




親が海外出張が多かった幼少期



俺と兄ちゃんは父さんの兄、

伯父さんの家でしょっちゅう預かられていた





その家の娘が、この澤田美来



7つ上の俺のいとこ。





初恋といってもいつも面倒見てくれて

姉のような存在でもあった


いとこだからという認識ももちろんあったし





子供ながらの感情







美来が留学するってなったころは俺も中学生になっていて
一時的に帰国していた親と少し同居する期間があったから美来との交流もなくなって



そこから5年…自然と何もなかったように思い出は消えて






久々に連絡が来たかと思えば、今、突然






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