コイビト未満




「うわー葵だ!おっきくなってる!
最後に会った時なんてまだ成長期前だったから私より小さかったくせに!生意気ー!」

「……久々に会ってすぐ言うセリフがそれかよ」




学校の近くのファストフード店




待ち合わせ場所にいた女性




5年前と変わらない



肩より少し長めのセミロング

電話と同じ俺を呼ぶ声

あの時と変わらない笑顔



一つ一つ 昔の画が描かれたパズルが完成されていく






「美来こそ老けたなーあれから5年だからもう25だっけ?」

「うっさいなクソガキ。せっかく会ってやってんのに」





口の悪さも変わっていない



俺の中で消えていた美来の記憶が


目の前に現れたことで一つ一つ再築されていく





< 390 / 433 >

この作品をシェア

pagetop