コイビト未満
菜成の腕を引きカフェを出た
菜成の意見なんて聞かない
ただ今は、俺の言いたいことを聞いて欲しい
分かってる。我儘な自分。分かってる
でもこれくらいしないと
菜成は俺から離れていく気がする
「やだ葵、痛い…離して…
どこ行くの?」
「どっか静かなとこ。2人で話したいから」
「話すことなんてないから、ねぇ離して」
震える菜成の声
こんなことがしたいんじゃない
泣かせたい訳じゃない
それなのに、どんどん菜成を苦しめてる
「菜成、俺の話聞いて?」
「やだ………聞かない…」
「頼むから」
「嫌だって言ってんじゃん!
もうお願いだから放っといて…」