コイビト未満
利根の想い
一生伝わる事のない、利根の想い
一番近くに居るはずなのに
求めている場所は一番遠くて
結局菜成を傷付けてることしか出来なかった
「後悔してんのなら、何でずっと菜成とつるんでるわけ?」
「それが俺の償い方だよ
菜成はずっと俺を頼ってくれている。友達として
だから、俺が必要とされる限り側に居ようって
俺まで離れて行って、俺がした事を菜成が知ったら
菜成はもう生きて居られないと思うからな」
大好きな人に裏切られる
好きなのに、 いなくなる
そんな恐怖が菜成をずっと苦しめていた
何も知らなかった
菜成が抱えていた闇
大好きな人に、裏切られて
人を好きになる事を恐れて
ずっとずっと傷を癒せないでいた
「今さー。すんげーぶん殴りたい。お前のこと
お前のせいで菜成苦しめてるわけだろ
本当にムカつく。」
「…言うと思った」
「まぁ殴んねえけど。
菜成多分気付いてるよ。お前がした事を」