コイビト未満
サンクチュアリ
-----菜成side-----
何度も何度も鳴り続けた葵からの電話
しつこくて電話に出た時にはもう遅くて
何処までも私の事を追ってくる
そうすればするほど、辛くなる
「菜成ー。いい加減ちゃんとしなって」
「………私帰る」
「帰れないんじゃない?」
梨羽が指差す方に
息を切らした葵がいて
離れようとすればするほど
葵は離れなくて
だって、行っちゃうのに
葵、海外行っちゃうのに
私がとやかく言えることじゃない
葵から何か言われる前に
私が葵から離れる
それで全て忘れよう
そう思ってた