コイビト未満
駄目だって
駄目だって分かってる
葵の全てが、必要で
葵といることで全てが満たされて
だからどんどんダメになって行く自分がいて
それだから葵のために、こんな駄目な私から離れられるように
必死に嘘をついた
それなのに…何で
「バーカ………
お前嘘つくの相変わらず下手過ぎ。
そんな見え見えの嘘つかれたらさ…
益々心配で離せねえだろ」
私の大好きな葵の香りに包まれる
年下のくせに、生意気で、馬鹿で、無駄にポジティブで、我儘で
でも何処か大人びてて、どこまでも優しくて
どれだけ突き放しても、離してくれなくて
「あ…おい………」
「お前本当行動範囲狭いな、すぐ分かったよ…」
「離してぇ…」
「離さない」