コイビト未満
家を出る準備をする葵の制服の袖を
私は無言で引っ張った
振り向いた葵に
そっの唇が触れるだけのキス
恥ずかしくて
すぐ俯いた
「なあ、可愛すぎなんだけど」
またすぐに、ぎゅっと葵の腕の中
「あーやっぱり俺菜成のこと大好き
早く振り向いてね」
「………ないから」
「ふふっじゃあ行ってきます」
私の言葉にも慣れたのか軽くかわすようになって来て
今度は葵からの軽いキスで
葵は家を出た
少しずつ葵のこと…なんて絶対ないし
絶対ないし!って頬をペチペチと叩いてリセットする
私…こんなんじゃないのに