コイビト未満
「これで終わりだね、思ったより早く終わったね
これ菜成ちゃん自力で出来たんじゃない」
「いやいや三崎さんの教え方が上手いからですよ、本当にありがとうございました」
課題を終わらせてそそくさと帰る準備を始める
葵が帰ってくるまで居てもこっちが困るから
「菜成ちゃん」
「はい?」
三崎さんの手が止まった
空気がピタリと止まる
DVDも終わって一切の音が部屋から消えた
それに釣られて私も動きを止めた
「あー!思い出した!すみません三崎さん!私このあと急用ができちゃって!
今日はお忙しい中本当ありがとうございました!ではまた!」
絶対来る
確信したから私は必死に逃げた
この空気は絶対告白する気だった
なんてムードぶち壊しなこと言うのは最低だけれど
三崎さんすみません
そう思いながらも私は部屋を出た