コイビト未満



そのあと葵から何もなかったように「もう帰ったの?」
「今から菜成んとこ行っていい?」
っていつもみたいなメッセージが着てたけどそれは寝ていたことにして無視する




今は何が何でも葵に会いたくない



というか…もういいかな


三崎さんとも気まずくなったし

葵ともこの関係を切ってしまおう



また元の、穏やかな日常に戻そう




それが一番だと思った






「なー菜成、無視はいいんだけどさ
いつも思うけど本当に危ないから鍵しめて」



ベッドに寝そべった私の顔を覗き込むようにヒョコッと顔を出したのは



あの変態大嘘付き



「葵っ!?なっ」

「だからー
返事ないから来た
どうせいつもの無視だろうなと思って
それより鍵!あなたいつも開けっ放し!
変な奴来たらどうすんだよ」

「変な奴………」




チラッと目を見る




「あ?なに?」

「いえ…………」



無言の圧というやつ

結構だらしない性格だから家にいる時は鍵かけ忘れるんだよなあ

それが癖になっていたから葵も勝手に出入りするようになっていた


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