コイビト未満


「なに菜成、俺にいて欲しいの?」

「……………」

「なーなーせ」

「……………」

「帰るよ?」

「やっ…………」






寂しくて、寂しくて
思わず行こうとする葵の腕を掴んだ



やだって…




何でいなくなろうとするの…




何で………





何も言えなくて、半泣き状態で葵を見ることしか出来なかった





「はあ…………ばーか酔っ払い」


「ん……………」






掴んだ腕を掴み返され


優しく抱き寄せられて





いつもの葵のキス






ねえ、私待ってたのかな



葵のキス、待ってたのかな




違うよね?
そんなんじゃ………


でも



この時間から抜け出したくないの…







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