コイビト未満
一緒に歩いてた
その一言に葵は笑った
「菜成お前こそ付き合ってない男と一緒に歩いてるだろ?お前バカ?」
「は?バカって…ひどい…
真剣に悩んでたのに…」
馬鹿にバカって言われて
今日は完璧に葵が一枚上手で
何を言われても反論出来ない
「なぁ、なんで菜成はそんなこと悩んでたの?」
「へ?」
「俺のこと…好きだからじゃないの?違う?」
「………………」
葵の尋問が続く
やっぱり、どうしても素直になれなくて
なにも返せなくて
色々な思いが込み上げて
涙ばかり溢れる