コイビト未満


「わかんな…………い…………わかんないよ……」



涙ばかり溢れて


悔しくて


泣き顔見られたくなくて



葵にしがみつく




葵は全部分かってるんだ



全部見透かされてる





悔しくて…




「なぁ菜成………
俺のこと、好きとかそういうの別に言わなくていいから、



でもさその代わり、もし菜成も俺の事好きだったら

菜成からキスして」





葵はズルい


勝てる駆け引きには、ニコッと笑うんだ
もん




だから絶対キスなんてしない


したくない




だけど、






気付けば私から葵へ

唇が触れていたんだ





「…………もう知らねーからな」





私の涙をぬぐって


葵は私を優しくベッドに押し倒した






< 77 / 433 >

この作品をシェア

pagetop