コイビト未満
「わかんな…………い…………わかんないよ……」
涙ばかり溢れて
悔しくて
泣き顔見られたくなくて
葵にしがみつく
葵は全部分かってるんだ
全部見透かされてる
悔しくて…
「なぁ菜成………
俺のこと、好きとかそういうの別に言わなくていいから、
でもさその代わり、もし菜成も俺の事好きだったら
菜成からキスして」
葵はズルい
勝てる駆け引きには、ニコッと笑うんだ
もん
だから絶対キスなんてしない
したくない
だけど、
気付けば私から葵へ
唇が触れていたんだ
「…………もう知らねーからな」
私の涙をぬぐって
葵は私を優しくベッドに押し倒した