コイビト未満


あんな甘えたで
いつもべったりで

私のことが大好きな葵



なのに今日だけは違って


なんでこんな、男の子なの

あんな可愛い顔してるのに

男じゃん、葵




高校生のくせに手慣れてて

簡単に服なんて脱がされて



主導権は葵に握られている





「恥ずかしい………」


「だめ、全部見せて

菜成、こっち見て」



葵の呼びかけに、
恥ずかしくて枕に埋めていた顔を上げる


「可愛い…………菜成………すっげ可愛い」

「んっ…………」



今までどの男にも感じたことのない温もりを感じて

葵から離れたくなくて



ぎゅってした



「菜成………好きだよ」

「…………うん…」

「ふっ………なんだよ、うんって」





葵は笑った





うん、


それが私なりの精一杯の表現




分かってるくせにそうやって、笑うんだ

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