サッカー少年。
この歌はね、あんたと別れてからよく聞いてた。
毎日、学校に行くのが憂鬱で。
毎日、あんたに会わないようにした。
あんたが他の女の子と笑ってるところを見るのが嫌だった。
なにより、無理した笑い方が嫌だった。
毎日、遅刻して。教室なんか行かなくて。
そのまま、逃げるように保健室に向かって。
授業なんてろくに受けずに、ただ何も考えたくなくて。
逃げて、逃げて、ひたすら逃げる生活だった。
今だって、本当は変わらないのかもしれない。
結局、あたしはいつだって向き合うことから逃げた。
何度か、他の子が助けてくれてたのに。
あんたと話す機会をくれたのに。
その時でさえ、あんたは優しく包んでくれたのに。
その手を振り払って、あたしはまた傷付けて、逃げた。
あたしは、あんたから逃げ続けてるんだ。