夢ノ夢子のズルい罠
設定、世界観の矛盾――。
辻褄合わせの展開――。
それが――この物語なのです――。
えっ、何ですか――。
小説というのは、一人称、もしくは三人称視点で、物語の背景、世界観を表現し、丁寧な心理描写と魅力ある登場人物の構築に、巧妙に張り巡らされた伏線――。
読み手を最初のページから物語の世界へ引き込む、才覚と手練れが絶妙に練り合わさった文章力――。
綺麗な文章、納得の世界観――最後に伏線をさらりと回収し大団円――。
読者の称賛を浴び、ランキングも上昇――レビュー及び感想も高評価――憧れと羨望の人気作家様の領域に達し、読者が喜ぶ作品を創り続け、書籍化され、その地位は不動のものとなり――いつしか、伝説となる――。
誰しもが描くであろう、「ケータイ作家」としての終着点――。
ですよねぇ、ですよねぇ――そうですよねぇ――。
ホントそうだよねぇ――。
いいなぁ――。
羨ましいなぁ――。
あっはははっ――。
あっはははっ――。
はあぁあっ――。
「チッ――――」