キミとの距離は1センチ
「じゃあ私は、ちょっと出てくるから。あなたたちは一休みしたら、勝手に帰ってていいよ」
テキパキと言い残して、保健師は医務室を出て行った。
ふたりきりになった室内が、とたんに静寂に包まれる。
「………」
……どうしたもんかな、この状況。
ちらりと、椅子におとなしく座っている佐久真へ視線を向ける。
「……よかったな、ケガなくて」
「………」
……また、だんまりか。
内心ため息をつきたい衝動を、腕を組んで天井の模様を見つめることで、なんとか堪える。
まあ、この反応は仕方ないか。それなりに人通りがある社内を、あんなふうに抱えられて歩いたんだから。
俺もあのときは頭に血ぃ昇ってたし、あまり気にしてなかったけど……今になって、ちょっとまずかったかなと思ってしまう。
……佐久真、俺のこと『嫌い』らしいしな。というか今現在彼女は宇野さんとのことでも、社内で密かに話題にされているというのに……さらにまたネタにされるようなこと、俺が進んでぶちまけてどうするんだ。
テキパキと言い残して、保健師は医務室を出て行った。
ふたりきりになった室内が、とたんに静寂に包まれる。
「………」
……どうしたもんかな、この状況。
ちらりと、椅子におとなしく座っている佐久真へ視線を向ける。
「……よかったな、ケガなくて」
「………」
……また、だんまりか。
内心ため息をつきたい衝動を、腕を組んで天井の模様を見つめることで、なんとか堪える。
まあ、この反応は仕方ないか。それなりに人通りがある社内を、あんなふうに抱えられて歩いたんだから。
俺もあのときは頭に血ぃ昇ってたし、あまり気にしてなかったけど……今になって、ちょっとまずかったかなと思ってしまう。
……佐久真、俺のこと『嫌い』らしいしな。というか今現在彼女は宇野さんとのことでも、社内で密かに話題にされているというのに……さらにまたネタにされるようなこと、俺が進んでぶちまけてどうするんだ。