キミとの距離は1センチ
「あたしが気付いたのはー……入社して3年目くらいの頃、いつもの同期8人でキャンプ行ったの覚えてる?」
「あー……」
あったあった、同期でキャンプ。
ちょっと遠出して、すっごい自然に囲まれてる、綺麗な川があるところに行ったんだよね。
キャンプの定番っぽくバーベキューやったんだけど、何か絶対バーベキューで焼かないようなものとか持って来てる人がいて、馬鹿みたいに笑った記憶がある。
「あのときさ、みんなでふざけて、川に入って遊んだじゃない。そうしたら珠綺がコケそうになって、だけどそれを、伊瀬くんが間一髪で助けてくれたの」
「……うん」
「そのときの伊瀬くんの反応見て、気付いたかな」
「………」
……たしかに、そんなことも、あったけど。
でもその出来事のことは覚えていても、あのとき伊瀬がどんな様子だったか、全然思い出せない。
……伊瀬はあのとき、どんな表情をしていたっけ?
「まあ、あくまであたしが気付いたとき、だからね。いつからすきなのかとかは、知らないけど」
「……そう……」
うなずいて、ぎゅうっとまた、クッションを抱きしめる。
……伊瀬は……いつから、わたしのことをすきでいてくれたんだろう。
というか、そのキャンプだって、もう3年ほど前の話だ。……もしかしてそれからずっと、すきでいてくれたの?
「あー……」
あったあった、同期でキャンプ。
ちょっと遠出して、すっごい自然に囲まれてる、綺麗な川があるところに行ったんだよね。
キャンプの定番っぽくバーベキューやったんだけど、何か絶対バーベキューで焼かないようなものとか持って来てる人がいて、馬鹿みたいに笑った記憶がある。
「あのときさ、みんなでふざけて、川に入って遊んだじゃない。そうしたら珠綺がコケそうになって、だけどそれを、伊瀬くんが間一髪で助けてくれたの」
「……うん」
「そのときの伊瀬くんの反応見て、気付いたかな」
「………」
……たしかに、そんなことも、あったけど。
でもその出来事のことは覚えていても、あのとき伊瀬がどんな様子だったか、全然思い出せない。
……伊瀬はあのとき、どんな表情をしていたっけ?
「まあ、あくまであたしが気付いたとき、だからね。いつからすきなのかとかは、知らないけど」
「……そう……」
うなずいて、ぎゅうっとまた、クッションを抱きしめる。
……伊瀬は……いつから、わたしのことをすきでいてくれたんだろう。
というか、そのキャンプだって、もう3年ほど前の話だ。……もしかしてそれからずっと、すきでいてくれたの?