キミとの距離は1センチ
なるほど。営業としては、そういう些細な口約束もないがしろにはしたくない。
その気持ちはよくわかるので、わたしは相手に見えないとわかっていても、こくりとうなずいた。
「わかりました。もちろん、ご一緒させていただきますー」
『よかった、ありがとう。きっと川上チーフもよろこぶよ』
「えへへ。わたしも久しぶりにお会いしたいですし」
チーフという立場ながら、自らフードコートの店頭に出て元気に働いていた中年の男性の顔を、思い浮かべる。
考えてみればわたし、遊ぶ目的ではウォーターパークに行ったことなかったなあ。今さらながら申し訳ない。
『それで、珠綺ちゃん。会社の奴らと、なんて言っといてふたりだけなのもアレだから、他にも誰か誘いたいんだけど』
「あー、人数多い方が楽しいですしね」
『うん。で、相談なんだけどね……珠綺ちゃんの方で、伊瀬くんを誘ってもらえないかな?』
「え? 伊瀬、ですか?」
意外な人物の名前があがって、思わず聞き返してしまった。
ふふ、と、電話口で、宇野さんが小さく笑う声がする。
その気持ちはよくわかるので、わたしは相手に見えないとわかっていても、こくりとうなずいた。
「わかりました。もちろん、ご一緒させていただきますー」
『よかった、ありがとう。きっと川上チーフもよろこぶよ』
「えへへ。わたしも久しぶりにお会いしたいですし」
チーフという立場ながら、自らフードコートの店頭に出て元気に働いていた中年の男性の顔を、思い浮かべる。
考えてみればわたし、遊ぶ目的ではウォーターパークに行ったことなかったなあ。今さらながら申し訳ない。
『それで、珠綺ちゃん。会社の奴らと、なんて言っといてふたりだけなのもアレだから、他にも誰か誘いたいんだけど』
「あー、人数多い方が楽しいですしね」
『うん。で、相談なんだけどね……珠綺ちゃんの方で、伊瀬くんを誘ってもらえないかな?』
「え? 伊瀬、ですか?」
意外な人物の名前があがって、思わず聞き返してしまった。
ふふ、と、電話口で、宇野さんが小さく笑う声がする。