キミとの距離は1センチ
宇野さんとさなえちゃんは同じ沿線。わたしと伊瀬も同じ沿線だ。
改札でふたりと別れ、残るわたしたちもホームへと向かう。
階段をのぼりながら、ちらりと、伊瀬がわたしに視線を向けてきた。
「……なに?」
「いや。……自分の彼氏と他の女の子が一緒でも、気にしないんだなって」
あー、伊瀬もそれを言うか。
苦笑して、バッグを肩にかけ直す。
「別にー。だって、相手は宇野さんだよ? そんなのいちいち気にしてたら身が持たないって」
「まあ、」
「なんだろうね、これも信頼してるってことなのかな? わかんないや。ていうか、わたしがもともとこういう性格なだけかもだけど」
「……ふぅん」
伊瀬がつぶやいたのと同時に、ホームへとたどり着く。
電車を待ちながら、また、彼がぽつりと口を開いた。
「……今日、宇野さんが俺と佐久真をペアにして泳ぎの練習させたの、なんでだと思う?」
「へ?」
思いがけない質問に、ぱちぱち、何度かまばたきをする。
……わたしと伊瀬を、ペアにした理由?
──……そんなの。
「宇野さん、言ってたじゃん。『初心者教えるの苦手なんだ』って。そういうことじゃないの?」
「……ほんっっっとにおまえはおめでたい頭してるな、佐久真」
「な、なにそれ?! なにそれ?!」
改札でふたりと別れ、残るわたしたちもホームへと向かう。
階段をのぼりながら、ちらりと、伊瀬がわたしに視線を向けてきた。
「……なに?」
「いや。……自分の彼氏と他の女の子が一緒でも、気にしないんだなって」
あー、伊瀬もそれを言うか。
苦笑して、バッグを肩にかけ直す。
「別にー。だって、相手は宇野さんだよ? そんなのいちいち気にしてたら身が持たないって」
「まあ、」
「なんだろうね、これも信頼してるってことなのかな? わかんないや。ていうか、わたしがもともとこういう性格なだけかもだけど」
「……ふぅん」
伊瀬がつぶやいたのと同時に、ホームへとたどり着く。
電車を待ちながら、また、彼がぽつりと口を開いた。
「……今日、宇野さんが俺と佐久真をペアにして泳ぎの練習させたの、なんでだと思う?」
「へ?」
思いがけない質問に、ぱちぱち、何度かまばたきをする。
……わたしと伊瀬を、ペアにした理由?
──……そんなの。
「宇野さん、言ってたじゃん。『初心者教えるの苦手なんだ』って。そういうことじゃないの?」
「……ほんっっっとにおまえはおめでたい頭してるな、佐久真」
「な、なにそれ?! なにそれ?!」