《キャラバト》白衣の保険医と黒い翼
『たぶん、何かの手違いでふらりと来てしまったのじゃと思う』
「えー…」
手違いで来て暴れるとは。
面倒きわまりなく思え、眠気を覚えた朱祢。
『通報を受けたから全員集合☆なのじゃ〜』
朱祢たちは四人で一人。
一人でもかけたら死ぬし、生きられない。
『場所言うか?』
「いい、飛ぶのも面倒だからそっちに移動しちゃうわ」
神々は遍在する。
その性質を利用して瞬間移動とかも可能なのだ。
力は使うが早いし便利。
『相手は異国の神。あくまで狙いは捕獲じゃ。
外交に関わるからな』
異国の神を殺せば、向こうが怒る。
この国の平安を守りたがるものとして、それはちょっと相容れない。
「そっかそっかそっか……
やべ、超めんどー」
バッグからペットボトルの水を取り出し、常備してある砂糖を入れる。
さらさらと入っていく砂糖を眺めながら、「んじゃ」とだけ言って通話を切った。