あの日見た 夕日
『ここやよ~』
案内されたのは木造の学校で
その中の 会議室。
『…ちょっと 話 聞いてな?』
さっきとはうって違って
真剣な目つきの姫屋さん
「はい。」
『実はな、ここ…男子中学高やねん
あ、でも 佑ちゃんが入るん
前々から決まっててん…
ここは 長谷川財閥のお金で成り立つ
田舎町の中学校やねん。
んで、そこの跡継ぎが産まれた
性別によって この村の
性別が変わるねん。
あ、性別変わる言うても
急に男が女になるわけやないよ?
例えば 男の子が産まれたら
男の人はでていくねん。
それがこの村のルールやねん。
ここまでわかる??』
… 訳すと
この村は長谷川家によって
住む人の性別が、わけられる
だから今 あたしが
長谷川家の子なので
この村の性別は 男なわけだ。
あたしは理解出来たから
姫屋さんに向って頷いた。
『んで… 問題がこっからやねん』
急にしょぼくれた顔をする
姫屋さん
「なんでも言ってください」
『実は この村の人達の誰かと
結婚しやなアカンねん…
この村に入る為 様々な
試験があってな?ここにおる人
普通っぽいけど凄い人達やねん…』
「姫屋さんも?」
『偉ばれし 僕☆』
「そぅ… 期限とかないの?」
『期限とかは ないやろなぁ…
まぁ気になる人 探しいな??
選べるん 一回やから!
婚約したら もぅ別れられへんよ』
「慎重にってことね…」
『ちょ、待って?
なんで、そない冷静なん⁉︎』
「仕方ない事ですから」
『えらい冷めてるなぁ(苦笑)
今までな 来た子達…
みんな 嫌や言うててん
彼氏いてる子とか 彼女いてる子とか
んで、何人も抜け出そうとして
… 死んでったわ。
ここな?緑さんの友達の
裕福な方とかも許可もろて 使うねん
でも 佑ちゃんみたいに
冷静な子 おらん思うよ』
「姫屋さん…あたし
冷静やなんか ないんよ… 」