Are you lady?
交わってしまった時 後編・凜side
さて、愚か者の準備も整ったようだし始めましょうか。
ただ、いつまでも愚か者という呼び方では少し可哀想だし、名前を聞こうではないか。
『あなたの名前は何?』
「・・・。」
私は普通に聞いたつもりだったが、愚か者さんは逆に驚いたらしく、目を見開いている。
・・・失礼な。
私だって一応親切にするスキルくらい持っているのに。
親切を教えてくれたのは私が幼い頃教会で出逢った少年。
何があったのかは忘れてしまったが、私はその時にその少年にアンクレットをもらったこと。
今も左足についている。
_どうして左足かって?_
私が左利きだから。
まぁ、それは良いとして、名前を答えてくれないのならば、私から名乗ろうか。
『私は霧野凜だ。』
「・・・!」
名を名乗ってくれない愚か者さんは私の名前と左足についた白いリボンのついたアンクレットを見て目を見開いている。
「お前、まさかあの時の凜なのか?」
『?』
ん?
あの時とはどの時だ?
もしかして、アンクレットの少年?
だが、何か違う気がする。
「お前、死んだんじゃ・・・まさか、お前!」
『すまない、よくわからない。まず名を名乗ってくれないか?』
「俺は星宮翔だ。」
星宮翔?
身に覚えがない。
まぁ、良い。私は彼を倒すだけだから。
『油断していて良いのかしら?私を倒しにきたのでしょう。』
戦争を始めましょう。