二番目でいいから[完]
1day
二番目でいいから
「二番目でいいから」
そう言ったあの時、あなたは素っ頓狂な声で、
「まじで言ってんの?」
と、問いかけてきた。
飲みかけのポカリでむせてから、口元をジャージの袖で隠して。
あれから一週間が過ぎた今日、改めて八尋に家に呼ばれた。
「第二の彼女ってつまり、ほぼセフレって意味だよね」
八尋はそう言って、炭酸飲料の蓋を開け、プシュッと音を鳴らした。
進学とともに上京してきた八尋の部屋は、普通の間取りで、普通の広さ。
普通じゃないのは、その部屋に第二の彼女である私も一緒にいるってこと。
八尋はベッドに座ってテレビをみてる。
私は、座椅子に座ってテレビをみてる。
お互いが所属してるテニスサークルで作った黒いパーカーを着て、至って変わらないテンションでテレビをみてる。