二番目でいいから[完]


「東京の女の子って怖いなー」

「そうやって一括りにして流さないで」

「じゃあ断る。やめよう」

「じゃあ友達もやめよう」

「なんでそうなるの」

「じゃあ友達はやめなくてもいいから、こうやって暇な時に私のこと呼び出すのやめよう」

「なんでそうなるの」

「八尋はふられた相手に家に呼び出されたらどんな気持ちになるの」

「期待させんなって思うね」

「ほら」

「じゃあ卯月も、急に1番仲良かった友達に、友達やめようって言われたらどんな気持ちになるの」

「………」


私が黙ると、八尋はじっと私の顔を見つめて、ため息をついた。

それから、本当にただの付けたしのように、ぼそっと一言つぶやいた。


「正直卯月が好きだよ。今服脱がれたら、普通にヤッてると思う」

「り、リアルな……」

「でも彼女が1番だから」

「……うん」

「俺が彼女といるところ、間近で見てられるの? 彼女とキスした口と、キスできんの?」


八尋が、ベッドからおりて、座椅子に座っている私の横に座り込んだ。そして、私の背中を通って、座椅子に手をかけた。

ぐっと距離が縮まって、八尋のいつも眠たそうな瞳が、私を射抜いた。
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