二番目でいいから[完]


「卯月が提案した関係に、なにも生産性は無いよ」

「……」

「卯月は傷つくし、俺も彼女に対する罪悪感だけ残る」

「そんなの分かってる……」

「分かってることを分かってて、説明したんだ」

「じゃあ、八尋と一緒にいて、ドキドキするのはどうすればいいの? そんな友達、めんどくさいでしょ?」

「……卯月、そんなことないから」

「八尋嘘つく時目を逸らすよね」

「……めんどくさくない。ただ、卯月に好かれるのは嬉しいし、目の前でドキドキしてくれてるんだなって思うと、正直愛しいし、俺だって流石に調子に乗るよ。調子に乗る様子を考えたら少し自分が嫌になったんだ」

「……私といると自分が嫌になるなら、友達やめよう」

「……」

「私も、それなりに、辛いからっ……」



―――――二番目の彼女でいいと言ったのは、これ以上友達のまま八尋と接するのには限界だったから。

例えセフレでも、八尋に触れることができるから。

彼女とキスした唇でも、彼女を抱いた腕でも、それでも八尋の体温を求めた。

このまま行くと、いつか私の好意がそれとなく八尋にばれて、それとなく体だけ繋がって、そのまま罪悪感だけが残ってしまうような、そんな気がしたから。

だったら最初から宣言した方が、関係性をハッキリできると思ったんだ。
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