“おもい”二文字 「好き」
付き合いはじめて直ぐだった。


怜先輩に変化が出だしてきたのは…。



―――――いつものようにメールをしていた時だった。


私は親に注意されたので、


≪お風呂に行ってきます≫


と送った。


この文章が、私達を大きく変えた。


≪そっか。じゃあ写真よろしくw≫


え?よろしくって…写真…!?


…いや、何本気になってるんだろう。


冗談だよ、冗談。


はじめはこんな感じでどうってことなかった。


そう。はじめは、ね。


≪冗談やめて下さいよー(笑)≫


ほとんどがこう返していただろう。


ただ、日が立つことに少し、少しずつ発言が明らかにおかしくなっていった。


≪脱いで≫
≪しようよ~≫
≪いつでもやれるよ?≫


もう冗談とは言いづらい文章になってきた。


頭が痛い…。


『どうして急にそんな事言いだすようになったんですか?』


…言いだせない。


そしてそれから、もっと私を苦しめる一言が降ってきた。


≪冗談じゃないよ≫


違う。


私が求めていた【付き合う】は、こんなのじゃない。


“男と女”じゃないの。違うの…


どうして、どうしてこうなったの?


私は本気で…先輩の事…


するとかしないとかどうだっていい。


メールだけでいい。話したりするだけでいい。


ただ一緒にいて、笑いあえるだけでいい。


もし先輩のこういう面を知っていたら…


少しは変わっていたのかもしれない。


≪いつする?≫
≪どこでする?≫


違う。違うから…


私はただ、


“男と女”じゃなくて、“彼氏と彼女”でいるだけでいいの…。




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