“おもい”二文字 「好き」
中学校。


入学して一カ月もたつかたたないか位の頃だった。


「亜華里!亜華里!愛と空汰と付き合ったんだって!」


友達の穂波が私に言ってきた。



諏訪田 愛(すわだ あい)ちゃん。


ふわふわしてておしとやかな女の子。


ただ先生にはきつく、ところどころ黒いキャラがまた好かれている。



松村 空汰(まつむら くうた)。


しっかりしてるようなしてないような。


親しみやすく友達も沢山いる。


…隠れオタク。



愛ちゃんはともかく、私と松村さんは小学校の頃同じクラスになったこともなく、唯一の接点は小学校の時の駅伝のみとあまり話したこともなかった。


――――――この時は。


愛ちゃんとは入学してすぐに仲良くなった。



いつもそばにいるのは小学生の時ずっと一緒だった3人の中の1人、中村 穂波(なかむら ほなみ)。



もう二人は小林 香織(こばやし かおり)と羽田 歩夢(はた あゆむ)。



残念な事に、穂波以外とはクラスがバラバラになった。


「へー…って、どうしてそんな情報を穂波がもってるのさ?(笑)」


「隣の席がラインしてる人で、実はあの二人、ラインで告白して付き合い始めたらしいよ!」


「ラインで?…なんか嫌だな、実際に告って欲しくない??」


「ちょ、声でかいって!まあもう広がってるけど…(笑)」


ふーん。と返して松村さんの方を見る。


男友達と話している。



なんだ。一緒にいたりしてるわけでもないし…ああいうのを【付き合う】っていうの?


なんて思ったりしていた。
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