“おもい”二文字 「好き」
次の日の部活。


絵を描いているときに、怒鳴り声が聞こえた。


「…なめてんのか?ああ!?」


それは体育館からの、先生の声だった。


美術室からはよく体育館が見える。


窓の外から皆が覗いた。


…私も除いた。



怒っているのはバスケ部の顧問の先生。


怒られているのは――――――――


全く知らない人だった。


「よかった…」


と、ついポロリと言葉が出た。


松村さんもバスケ部だからもしかして…と思ったんだけど…


大丈夫そうでよかった。


そしてその時だった。


『バスケ部顧問の上谷先生、上谷先生。緊急職員室へ来て下さい』


と放送が流れた。


い、今!?


と皆想っただろう。


「タイミング悪すぎでしょ(笑)」


と絵理先輩も言っていた。


でもあの人、運が良くてよかったなーと、


しみじみ思った。



でも、やっぱり一番考えていたのは松村さんのこと。


そう言えば選抜に選ばれたって言っていたから…。


もし今問題とか起こしたら…とか、


やっぱり頭の中はこんなことばっかりだった。
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