“おもい”二文字 「好き」
「だって、AさんはBさんのことが想い続けられるほどに好きなんでしょ?
なのに忘れることなんて絶対できないし、もし他の人と幸せになったりしたとしても…
もしいつかBさんのことをふと思い出したりでもしたら後悔しかしないと思うよ…?」



それから香織が話す内容は心にズサズサと突き刺さっていく。


だって全て図星だから…。


「で、でもね?もしBさんはまだ友達のことを想っていて、友達もBさんのことを想っていたら…そしたら、どうするの?」


そしてハッと我に戻る。


…何言ってるんだろ、私。


すでにもうただの私の気持ちじゃんか…。


「そんなのまだ分からないじゃん」


「え…?」


まだ分からない…?


「どうしてAさんがそんなこと言いきれるの?Bさんの気持ちはBさんにしか分からないじゃん。
そうやって告うことから逃げているだけじゃないの?」


「…っ」



【逃げているだけ】


そうなのかな…私は…


逃げているだけなのかな…


じゃあ、じゃあまだ…


「希望はあるってこと?」


「さあ?あるかないかはBさんにしか分からないしね?
…Aさん?」


ニヤリと香織が笑う。


え…もしかして…


「気づいてたの!?」


「当たり前じゃん(笑)
…その前に私に相談したの覚えてないの??」


そういえば私が松村さんのこと唯一知っているの香織だったけ?


…恥ずかしい!


「え、えっ何の話!?」と穂波が言う。


「また教えるからね~」と香織がなだめる。


「私…」


伝えていいのかな…


希望、あるのかな…


「まず、愛ちゃんに聞いてみたら?今どう想っているのか」


「ええ!?」


それはちょっと…


――――違う。


言う。聞く。


だって、


【言いださないと始まらない】んだから。



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