“おもい”二文字 「好き」

伝える勇気・・・

授業中。


愛ちゃんに伝えた今ずっと頭にあるのは


どうやって告白するか…。


1つ難題が解けたと思えばまた1つ。


恋って大変…。


ついにはそんなことも思うようになった。


「頑張れよ~」


「亜華里ちゃんファイト!」


あれからというもの、よく話しかけられるようになった。


一体どうしてこんなことに…。


恥ずかしいような嬉しいような…。


五分五分だった。


「木村ー」


「ぅえ!?」


「『ぅえ』ってなんだよ(笑)」


「変なの(笑)」とくすくすと笑われる。


私に向けてのこんな笑顔…久しぶりかも。


最近はずっと話せていなかったからなぁ…。



「あの、」


「ん?」


あれ…何話そうとしたんだろう…!?


ただ、このまま何も話さなかったら…


いつもみたいにいなくなると思って…。


「何もないんだけど…だから…えぇと…」


バカだ私…絶対変なヤツって思われてる!


何か話さなきゃ、何か…


松村さん…えっと…


松村さんが…


「…好き」


「へ?」


え?


な…何が?え?


「木村が告った!」


「マジか!」


「亜華里ちゃん凄い!皆の前で!」


え?え?


告った?今?


え…今のが告白!?


「いっ、今のは違…」


「今のは違うだろー誤解するようなこと止めとけよ(笑)なぁ?木村?」


「うん…」


今。


今言わなかったらきっと臆病な私は…


告えないかもしれない。


今、チャンスなんじゃないかな?


今告っちゃえば、後は楽なんじゃないかな?


振られたって今なら…


すがすがしくなれるかも…


「…好きだよ」


「…え?」


驚いた顔をしている松村さん。


そりゃね、困るよね。


皆が見てる中告白されたら。


でも…


「今じゃなきゃ、もう言えないと思う…。
好きです。松村さんが…もう早く振っちゃってっ!」


うつむいて顔を見せてくれない松村さん。


私の心臓はバックバクしていた。


< 48 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop