“おもい”二文字 「好き」

新しい時間・・・

「遅れてすみません!」


美術室のドアを開ける。


もちろん皆来ていた。


「亜華里ちゃん~やっほ~」


手を振ってくれる絵理先輩。


奥には優先輩と、


…怜先輩がいる。


「絵理先輩、優先輩、こんにちわ~」


「こんにちわ~」


と挨拶してくれる優先輩。


…そして。


目を合わすのはいつ振りだろう。


怜先輩。


やっと、やっと…


真正面からあなたを見れます。


「こんにちわ!」


「…こんにちわぁ」


と高い声を出してふざけてくれる怜先輩。


きっと、


悪い人じゃない。


ただ私は…


きっと【恋】を知らなかった。


それだけなんです。


本当に…


ありがとうございました。


「亜華里何してたのー」と歩夢が聞く。


「べーつにー」と私が返す。


「上手くいったでしょ?」


香織がニヤニヤしながら聞く。


「うん、まぁ…ね」


「えっマジで!?」


穂波が驚いた形相で聞く。


「うん。だから今日帰り…」


「分かってるって♪」


「ありがとう」


…そして賑やかな部室を別れ…


ついに下校時間になった。
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