“おもい”二文字 「好き」
―――――次の日の放課後。


私は特にすることもない部室で好きな絵を描いていた。


「1年せーい!」


絵理先輩が急に声を出した。


「は、はい!」


「王様ゲームしよう!したい人ー」


「します!」「したいです。」と4人とも全員参加した。


本当にゆるい部活なんだなぁとしみじみ思う。


王様ゲームが始まった。


王様の言う事を聞いていく。


そして、


「5番が好きな人暴露ー」


誰かがそう言った。


そして5番は―――


「…マジで?」


怜先輩だった。


怜先輩、好きな人いるのかな…?


少しずづ、少しずづ気になり始めてた。


「…ここで言わなきゃ駄目?」


「当たり前!怜、暴露しろ!」


せかす優先輩。


どうして


「嫌。」


どうして


「あ、分かった!あのメガネの人か!」


「違うし!」


どうして、私がこんなに苦しくなるの?


メガネの人って…誰?


どうして私が…こんなに、


「じゃあ遥?」


「お前なぁ、名前出すな。それに違うし。
…てかあれはストーカーの一種だろ(笑)勝手に俺を彼氏とか言ってるし」


知りたがっているの?怜先輩の事…。


もしかしてこれが…


違う。違う!



一人でうーっとしていると、


「そう言えば亜華里、クラス委員はどうなったの?」


「あ、断ったよ」


歩夢が話しかけて来てくれた。


ありがと…何も考えなくてすむよ…。


どこかホッとする私。



結局、先輩の好きな人は分からないまま、


その日の部活は終わった。


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