泡影の姫
「湊、彩愛さんに似てないよね?全然」

「血、繋がってねぇから。親の再婚なんて、珍しくもないだろ」

当然のように湊はそう言った。

「うん、そうだと思ってた」

姉になりきれない彩愛さんと。

彩愛さんを好きな湊。

姉弟になりきれない二人の関係は、ふつうの家族の枠組みで括るには無理があるのだろう。

「奪っちゃえば?」

「なかなか大胆発言デスネ~。相手既婚者デスよ?」

茶化すように湊はそう笑ったけど、その顔はうまく笑えてなくて。
私の方が泣きたくなった。

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