泡影の姫
転科したはいいが、授業にはまったくといっていいほどついていけなかった。
今までとは何もかもが違う生活に、体というよりも脳がついていけない。
数式や歴史に興味を引かれることはなかったが、それでもすべてが新鮮だった。
知らなかったことを知るのは、嫌いではない。

まぁなんとかなるだろう。
そんな感じで少しずつ学校になじむ努力をしながら、辛くなったら湊の歌を思い出した。

学校も行き始めてみればなんてことはなくて、私が思っているよりもずっと平和で落ち着いた毎日がそこにあった。
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