泡影の姫
「相葉さん」
「え?香坂さん?どうしたんですか?」
「お願いがあるの」
プールサイドで休憩をしていた相葉を捕まえて話しかける。
私服のままプールサイドに来たのは初めてだった。
「予備の水着あるよね?貸して欲しいの。それから、私と勝負して」
「勝負…ですか?」
相葉はやや困惑したように首をかしげる。
無理もない。
事故以来プールサイドに来ること自体なかった私が、いきなり相葉に勝負を申し込んだのだ。
今まで一度だって交わることがなかったのに。
「どうして、急に…?」
「無理を言っているのは分かっているの。でも、全力で勝負して欲しい」
きっと相葉には敵わない。
それでも負ける気がしない。
「でも、足が」
「お願い」
それでも私は引き下がらない。
そんな私を見て相葉は了承してくれた。
「プールサイドに人を入れてもいい?」
相葉の許可を取る前に、湊は勝手に下りてきた。
彼もまた困惑したような表情を浮かべていた。
「彼は誰ですか?」
「私の……恩人」
これが一番しっくり来る気がする。
友達じゃないし、自分の中での湊への感情がはっきりしないから。
「お前一体何を考えて……?」
「今から相葉と全力で勝負するから、審判よろしく」
そう言って私は着替えに行った。
「え?香坂さん?どうしたんですか?」
「お願いがあるの」
プールサイドで休憩をしていた相葉を捕まえて話しかける。
私服のままプールサイドに来たのは初めてだった。
「予備の水着あるよね?貸して欲しいの。それから、私と勝負して」
「勝負…ですか?」
相葉はやや困惑したように首をかしげる。
無理もない。
事故以来プールサイドに来ること自体なかった私が、いきなり相葉に勝負を申し込んだのだ。
今まで一度だって交わることがなかったのに。
「どうして、急に…?」
「無理を言っているのは分かっているの。でも、全力で勝負して欲しい」
きっと相葉には敵わない。
それでも負ける気がしない。
「でも、足が」
「お願い」
それでも私は引き下がらない。
そんな私を見て相葉は了承してくれた。
「プールサイドに人を入れてもいい?」
相葉の許可を取る前に、湊は勝手に下りてきた。
彼もまた困惑したような表情を浮かべていた。
「彼は誰ですか?」
「私の……恩人」
これが一番しっくり来る気がする。
友達じゃないし、自分の中での湊への感情がはっきりしないから。
「お前一体何を考えて……?」
「今から相葉と全力で勝負するから、審判よろしく」
そう言って私は着替えに行った。