恋愛初心者サッカー


「…………え?」



何、今の。……え、あたしの聞き間違い?



「か、加持くん……? あたしの事わからないの……?」

「知ってる訳ないじゃないスか。勝手な妄想やめろよな」



……開いた口が塞がらないとはまさにこの事。

あたしはきっと、驚きすぎて間抜けな顔をしているだろう。

加持くんは、そんなあたしを怪しげな物を見るように頭からつま先まで眺めている。



「……で、結局アンタ誰なの」

「あ、あたしは……加持くんと同じサッカー部のマネージャーだよ。いつも居るでしょ?」

「…………アンタみたいなの、居たっけ?」



…………はああああ!?

頭捻って考えた結果がそれ!?



流石のあたしもイライラしてきた。



「……加持くんって、サッカー以外の事何も見てないの?」

「あー、そうかも。だってサッカーにしか興味ねーし」



折角トゲトゲしくならないよう笑顔を浮かべながら言ったというのに、口角が引きつってきた。



……だって本当に興味なさそうな声なんだもん!

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