恋愛初心者サッカー
太陽が傾いてきた頃、練習は試合形式に変わる。
形式練習中は、みんなの様子を見て、今日の調子を活動記録にメモするのがあたし達マネージャーの仕事。
調子の良し悪しは、もちろん集中してそれぞれのプレイを見つめなければ判断出来ない。
だから、じっくりとみんなのプレイを見れる時間はここにしかなく、
…………唯一、この時間だけが、あたしの目の保養でもある。
────ピーーーーーッ!!
ビブスを着ているチームと着ていないチームに分かれて行う紅白戦。
一番最初に飛び出したのはやっぱり敬ちゃんだった。
「……敬ちゃん格好良い……」
敬ちゃんこと高城 敬介(タカギ ケイスケ)は、あたしの幼なじみで一つ上の高二。
そしてこのサッカー部を引っ張るキャプテン。
あたしがサッカーを好きになったのも敬ちゃんが切っ掛けなんだよね。
敬ちゃんは幼い頃からサッカーが上手くて、誰もが一目置く存在だった。
だから敬ちゃんはあたしの自慢なの。