恋愛初心者サッカー
とりあえずあたしは、部活がない日や部活が終わった後の時間を使って練習をする事にした。
場所は学校からの通り道にある公園。
人通りも少ないし、下手くそなあたしにはもってこいな練習場所。
……と、思って練習を始めてから早三日目。
「…………はぁ」
一向に成長する気配がない自分に、心底呆れていた。
「……一人で出来る事も限られてるし、やっぱり難しいのかなぁ……」
一人で出来る事と言えば、リフティングやドリブル、壁打ちくらい。
それでも少しは変わるかも……と思ったが、現実はそんなに甘くなかった。
「……っ、どうしてサッカーだけ出来ないのよっ!!」
考えれば考えるほどだんだん腹が立ってきて、その苛立ちを目の前にあったサッカーボールをぶつけた。
「……はぁ、もう本当に嫌になるっ! 今日はこれくらいにして引き上げ…………あ。ちょ、やばっ……ぶふぇっ」
思い切り蹴飛ばしたボールは正面の壁から跳ね返り、物凄いスピードのままあたしの顔面に激突した。
……まるで八つ当たりの仕返しだと言わんばかりに。