恋愛初心者サッカー
「~~~っ!!」
……い、いったーーい!!!
うぅ……思い切り蹴らなきゃ良かった……ボールさん八つ当たりしてごめんよ…………
「…………ぶっは、今の何だあれ。やっべ……っ」
声にならない叫びを上げるあたしの後ろから、ケラケラと楽しそうに笑う男の子の声が聞こえた。
…………え、もしかして今の見られてた?
恥ずかしさからか、頬が熱くなっていくのが自分でもわかる。
「……っ、ちょっとアンタ! こっちはこれでも必死…………え?」
笑った奴に一言言ってやろうと振り返ると、……そこに居たのはあまりにも見覚えのある人で。
「かっ、かっ、加持くん!?」
なななななんで!?
加持くんの家ってこっち方面だったの!?
予想外の人物にあたしの頭はパニック状態。
目を白黒させつつも、返事がない彼に恐る恐る声を掛け直そうとした。
……のだけど。
あたしが口を開いた刹那、加持くんの怪訝そうな声が聞こえてきた。
「……アンタ、どちら様? 何で俺の事知ってんの?」